『Mother With Child』は、George Cromarty氏の40年ほど前の曲です。
（Wind In The Heatherというレコードに収録されています）
2024年に自身に子が生まれ本当にうれしかったのですが、制作する時間はおろか、考える時間もなかなかとれなくなり、途方に暮れました。

娘を抱いて町を彷徨っていて、レコードショップの前を通った時に聞こえてきたのがこの曲でした。
とても居心地のいいギター曲です。
まだ値札もついていなかったレコードは店主の人も気に入られていたようで、我々親子を見て「こんなことってあるんですね。いい人に渡りました」と言われました。

それから、このタイトルのシリーズが始まりました。

素材：銀、銅、18金
サイズ：13号

野村知紗子

ギャラリーを中心に、ジュエリーやオブジェ、絵を発表しています。
ジュエリーも「描くように作りたい」といつも思っています。

今回のテーマは『Mother With Child』です。
昨年生まれた娘との暮らしの中で思うように制作ができず、感覚も鈍りかけた時期がありました。
途方に暮れながら娘を抱きかかえて町を歩いていた時に、気持ちの晴れるような音楽がレコード屋さんから聞こえてきました。
中に入ってみて、その曲が『Mother With Child』という、自身の状況のままの題名と知りました。
その日から、少しずつですがまた進み始めました。記念の言葉です。

（『Mother With Child』は、40年ほど前に出されたGeorge Cromarty『Wind In The Heather』に収録されています。カントリーミュージックのような、現代音楽的でもあるような心地いいギターの曲たちです。）